プレミアの旋風

皆さんこんにちは


以前の更新からかなり日数が経ってしまい申し訳無いです。そろそろ各チームある程度の試合数は観れて来たのでブログもまた書いて行きたいなと思っております。


さて、今日は今季のプレミアリーグの台風の目だと言われるウォルバーハンプトン(以下ウルブズ)について少し書きたいなと

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ウルブズと言えば開幕前の市場でポルトガルコネクションを使った大型補強で話題になってましたね。昇格組にしては破格の戦力を揃えており、シーズン開幕前から前評判は高めのチームでもありました。ポルトガル代表守護神ルイ パトリシオ、同じくポルトガル代表のジョアモウチーニョやルベン ネベス、バルサカンテラ出身の弾丸ドリブラー アダマトラオレ辺りは知名度の面でも高いと思いますし、他にも多数の実力者を揃えて居ます。



破壊よりも創造と語るヌーノ ゴメス


現在は10節を終え、4勝3分3敗の9位に付けているウルブズ。昇格組と言う事を考慮すればここまでは十分健闘していると言えるでしょう。そのウルブズを率いるのがポルトガル人指揮官ヌーノ エスピリーント サントです。


彼の下、3-4-3を基本軸としたポゼッションを重視する攻撃サッカーを展開しています。

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少し内容について触れて行きたいと思います。印象的にはオーソドックスなポゼッションサッカーと言う感じですかね。ビルドアップ時は3バックが大きく広がってハイラインを敷き、中盤の2センターが前を向いた状態でボールを受ける事(そこまで届ける事)を最優先としています。2センターの2人には明確な役割分担があり、まず、基本的にボールホルダー(最終ラインとWB)に近づいて受けるのがモウチーニョ、ボールから遠い位置でネベスが1手先の展開に備えると言った約束事が見受けられます。これは長距離のパス精度が高く、スペースが有れば前に持ち運ぶ事も出来るネベスの長所を活かす上で理に適ったタスクですね。また、ネベスは3バックの脇に落ちてビルドアップに参加する場面も見られます。


WBはアウトサイドレーンに配置され、ボールサイドの選手ビルドアップに絡み、反対側のWBはサイドチェンジに備えています。右のドハーティは大外を回る場面が多い一方、左のジョニーは利き足が右と言う事もあり、インサイドレーンに切り込む場面も見られます。個人的にはジョッタがアウトサイドレーンではあまり怖さを出せないので修正した方が良いんじゃないかと思いますが。


2センターの一角が前を向いてボールを持つと、ホルダーの両斜め前に前線の選手が移動して3角形を作ります。ここでジョッタやコスタがゴールに近い位置で受けられると一気にチャンスになります、また、ラウールヒメネスもここでの動きで相手のマーカーの間合い外へ逃れられるといった利点があります。

相手のCBとSB間の距離に問題がある場面では3トップの内の一枚が裏へアタックするパターンもありますが、基本は2ライン間で受ける事が最優先なのかなと思われますね。また、ここで相手の激しいプレッシングにあった場合は3バックの左右片方をプレスの逃げ道として使います。逆に、このタイミングでボールをロストすると後ろに2枚しか残っていない事になり非常に危険です。



ラスト30メートルの崩しに関しては個々の力量に頼る部分が大きく、コスタ、ジョッタ、アダマトラオレらがドリブルで違いを作る事が出来ればチャンスになりますが、逆に抑え込まれると厳しい部分が見られます。WBを裏へ走らせて中のターゲットへクロスと言ったパターンも見られますがこれもそこまで精度が高い訳ではないですね。また、試合終盤に掛けて3トップとWBが1列に横並びになる場面があり、中盤より後ろがパスコースの確保に苦労する場面も散見されます。


これらのパターンで崩せないとなると、ネベスのミドルシュートに頼る場面が多くなってきます。


最後30メートルのクオリティと言うのは指揮官も課題として挙げており、既に冬の補強リクエストなんかも噂されています。


守備面から見ると、ポゼッションのハイラインと言う事もあって余り自陣でブロックを敷いて守ると言う場面は見られません。


被カウンター対策という事なら、中盤より前でのポゼッション時及びアタック時は最低3枚はボールより後ろに残すと言うのが原則としてあるのかなと試合を観ていて感じましたね。ただ、ポゼッションしながらも中々得点が入らない状態になると3バックの左右の1枚

がポジションを上げてしまう事があり、上手く行けば前で数的優位を作る事が出来ますが、ボールを失った時にはかなり危険な状況に陥ってしまいますね。




最後にウルブズの注目選手として1人上げたいと思います。新加入のベルギー代表レアンドロ デンドンケルです。CBと中盤をこなす事が出来る選手で、非常に期待されていますね。10節のブライトン戦でようやくベンチ入りを果たしましたが、彼が出場機会を得ていく事でまた、ウルブズのレベルが1段階程上がるんじゃないかと自分は予想しています。



読んで頂きありがとうございました。それではまた










ライプツィヒはプレッシングの限界を超えるのか ラングニックの見据える進化のプラン

皆さんこんにちは


今回はライプツィヒについてのブログになります。最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。



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4-4-2からの解放

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Bundesliga第3節 開幕から勝利なしの中ホームで迎えたハノーファー戦。この試合でライプツィヒは昇格からの2シーズン、一貫して使ってきた4-4-2を採用せずに4-1-3-2(4-3-1-2)のシステムを採用した。(上記画像) 結果的にはこれが功を奏し今季初勝利を挙げる事になる。このシステムがライプツィヒに何をもたらしたのかをこれから考察して行きたいと思う。



異質なフォルスベリをも染め上げるラングニック


まずはシステム変更後の話をする前に、変更前の4-4-2で起きていた問題について軽く整理しよう。


4-4-2を採用していた開幕からの2試合。決してライプツィヒ得意のハイプレスが機能していない訳では無かった。確かにプレッシングの鍵となるナビ ケイタの退団はあったものの、ケビン カンプルとディエゴ デンメの2セントラルのプレッシング強度はケイタのそれと大差がある訳では無く、ケイタ退団で起こった問題点はそこには存在しなかった。


むしろ、ケイタがチームから去った事による最大の弊害は、プレッシングでボールを奪回した後のショートカウンターの破壊力の低下に現れていた。カンプルは持ち運びこそ良いものを持って居るが、ケイタ程の攻撃センスがある訳ではなく、デンメに関しては守備面の貢献を売りとする選手なのでそれを求めるのは間違いだろう。


ここで本来ならサイドハーフがカウンターの起点として機能するべきなのだが1-4で敗戦を喫したドルトムント戦では、ドルトムントが中盤にプレー強度の高い選手を並べて来た事もありボール奪取に成功したとしてもサイドハーフまで繋げず、更に自分達がショートカウンターを食らう場面が幾度も見受けられた。


この問題を解決するためにラングニックが採用したのが、エミル フォルスベリのトップ下起用だ。元々、左サイドハーフでプレーしていたフォルスベリが担っていた役割は縦方向へのプレーに強みを持つRBライプツィヒというチームで、唯一横方向への動きで違いを作り出す事だった(リヴァプール時代のコウチーニョと近い役回り)

チーム内でも異質な存在と言えるこのプレーヤーだが、16-17シーズンはBundesligaのアシスト王に輝いており、実力に疑いの余地は無い。しかし、昨季は自身の怪我によるコンディション不良、元々トランジションに重きをおくれチームの多いBundesligaということもあり、異質な分、トランジション時の攻防では穴となる部分も見受けられ、消化不良の1年に終わった(アシスト数も19→2と激減)


今季も開幕から昨季の低調を引きずっているように見えたフォルスベリだが、ハノーファー戦でのトップ下起用で2アシストを記録と躍動する。ここで彼に与えられたのは今までの横方向の動きで違いを作り出すのでは無く、ショートカウンターの起点として縦方向の動きで違いを作り出す役割。即ちこれまでケイタが担っていたタスクである。この役割を与えられたフォルスベリは昨季の鬱憤を晴らすような溌剌としたプレーを披露。カウンターで仕留めきれなかった場合には横方向の動きで相手守備陣に揺さぶりを掛ける臨機応変な部分も見られた。


また、中盤を3センターにした事によってこれまで以上に中央でのプレッシングの強度は が向上したのもこのシステムの恩恵だろう。CFフュルクルクを攻撃の起点とするハノーファーにはこれがハマり、何度もショートカウンターを繰り出すシーンが存在した。



プレッシング特化の落とし穴


勿論、このシステム変更はライプツィヒにメリットばかりをもたらしたのでは無い。中央のプレッシング強度に重点を置いている分、サイドのスペースではプレッシングに綻びが出てくるのである。実際、それを見抜いたハノーファーのブライテンライター監督は後半はCBからの中盤を飛ばしたサイドへのロングフィードや中央を経由せずに直接WBを活用する等戦術修正を加えてきた。シャドーで先発した浅野拓磨が前半は右SBのムキエレとのマッチアップが多かったの対し、後半は右CBのコナテとのマッチアップが増えた事からもWBがアウトサイドレーンを活用する機会が増えた事が伺える。ここはライプツィヒがこれからどうリスクマネジメントするかに注目だろう。


尚、左サイドに関しては朗報がある。先日のヨーロッパリーグザルツブルク戦で8ヶ月振りの実戦復帰を果たしたマールテン ハルステンベルクだ。ドイツ代表歴もあるこの左SBは精力的なアップダウンを武器としており、アウトサイドレーンを一任するに十分な能力を持ち合わせている。

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ライプツィヒは2019-20シーズンから現ホッフェンハイム監督のユリアン ナーゲルスマンの就任が決定している。それも踏まえると、今季はナーゲルスマン着任までの準備期間とも捉える事が出来る。一旦、プレッシングに振り切ったチームに構成する。そこに、Bundesligaトップの戦術のバリエーションと柔軟性を誇るナーゲルスマンが手を付ける事で、突出した武器を持ちながら様々な状況に対応出来る、即ちBundesligaの覇権を手中に収める事の出来るチームが完成するかもしれない。ライプツィヒがドイツの王者になる為のプロセスは、ラングニックの頭の中にしっかりと描かれているようだ。





それではまた
















ソシエダから見るジョルディ アルバ対策

皆さんこんにちは


今回はLiga Española第4節 バルセロナ×レアル ソシエダの試合で、ソシエダが実践したバルセロナ対策について書いていこうかなと思います。


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5-3-2ブロックとオジャルサバル


この試合の両チームのスタメンf:id:k824space7:20180916170544j:plain

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このフォーメーション表記だと、中盤ダイヤモンドの4-4-2になっているソシエダだが、実際のフォーメーションはこの形では無かった。


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これはこの試合におけるソシエダの守備ブロックの基本形だ。10番を背負うオジャルサバルをWBの位置まで落とし、右ラテラルのサルドォアが中に入り5-3-2の形を形成する。


このブロックの最大の目的はジョルディ アルバを封じる事にある。アルバはバルセロナの左のアウトサイドレーンの攻撃を一任されており、彼の攻撃参加の破壊力は凄まじい物がある。だが、この試合のソシエダは守備の局面で常にオジャルサバルがWBとしてアルバに対応。普通のチームの場合、本来WGの選手が対応せざるを得ないため、アルバの対応に手を焼くのだが、ソシエダは最初からWGの選手は攻撃よりもアルバへの対応が最優先という戦い方を選択した。勿論これはオジャルサバルのロングスプリント能力の高さありきの戦術でもあり、その点で彼の選手としての才能の高さも賞賛されるべきだろう。


また、この奇策はアルバを守備面で抑えるに留まらず、攻撃面でも高い機能性を見せていた。カウンター時にオジャルサバルが低い位置からスタートするため、左CBのウンティティがカウンター対応の時に下がらざるを得ない。これが仮に高い位置を取っていた場合、最初からCBの警戒の中に位置するので、ウンティティも前もって状況判断を下しやすい。たが、完全な警戒の外からスプリントしてくるのでウンティティからしても対応が後手に回る結果となっていた。




話をオジャルサバルから戻そう。この5-3-2ブロックを形成するに当たって重要なのが、ボール奪取のエリアとして設定されている中盤3枚だ。


スルトゥサとスペルディアが一定の距離感を保ち、その間に入ったイジャラメンディが2人の横移動に合わせて常にインサイドレーンで数的優位(局面によっては同数)を作る位置取りをキープ。ここでのプレッシングが60分辺りまではしっかりと機能しており、バルセロナに決定機を作られる場面は非常に少なかった。



では、何故60分辺りから機能しない場面が増えたのかというとブスケツ投入の影響が大きい。それまではラキティッチがCBの間に落ちてビルドアップに参加していたが、ブスケツ投入後はそこにブスケツが入り、ラキティッチが一列前にポジションを上げたのだ。それまで一列前に入っていたラフィーニャ アルカンタラは決して好調であったとは言えず、ソシエダの守備陣を独力で剥がす場面は少なかった。しかし、ラキティッチというクオリティが数段上の選手が入って来たことにより、ソシエダのプレッシングは躱され、バイタルへの侵入を許す場面が増加した。



結果、先制に成功したソシエダだったがお粗末なコーナーキックの守備から2失点を許し、逆転負けを喫する。また、チームとして決定力を欠いたのも痛いだろう。4回もの決定機がありながら、いずれも沈められなかったのは大きな反省材料だ。決定機を1つでも沈めていればまた結果も違った物であっただろう。しかし、内容だけならバルセロナと互角以上に渡り合い、バルセロナの枠内シュートを6本に抑え、自らは5本の枠内シュートを放ったソシエダの戦い方は他のチームにとってもバルセロナ攻略の1つの教科書になるのではないか。






それではまた








【コラム】4から掴む栄光

皆さんこんにちは



今回も選手紹介型のコラムになります。是非最後まで読んで頂ければ嬉しいばかりです。



今最もドイツの地で熱いCF


アダム サライ

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所属クラブ ホッフェンハイム


1987年 12月9日生 193cm 90kg


ハンガリー代表 45試合15得点


今、ドイツの地で最も得点の匂いがするCFは?と聞かれた時、多くの人々がロベルト レヴァンドフスキやティモ ヴェルナーらの名前を挙げる事だろう。だが、現状は異なる。2試合を終えて得点ランキングのトップに立つのはその2人でもはたまた別の実力者達でも無い。このアダム サライだ。2試合で3ゴールと開幕から得点を量産するこのCFだが、14年夏にホッフェンハイムに加入して昨季までは完全なるバックアッパーだったのだ。今季のBundesligaを面白くする同選手について今一度スポットライトを当ててみたいと思う。


経歴


ハンガリーの中心都市ブダペストでこの世に世を受けると、7歳の時にブダペスト ホンヴェードFCの下部組織に加入。その後ウーイペシュトFCの下部組織で育成されると2006年にシュトゥットガルトⅡに加入しレギオナルリーガ(ドイツ4部相当)でプロデビューを果たす。そこで33試合15得点を記録し、レアル マドリード カスティージャに引き抜かれるも昇格する事が出来ず、マインツに渡る。

マインツでは当初の3シーズンは目立った成績を残せなかったが4シーズン目の2013-14にリーグ戦13得点を挙げてブレイク。シャルケへステップアップを果たし7得点を挙げるも1シーズンでホッフェンハイムへの移籍を決断する。



ホッフェンハイムに渡ったサライだが1年目はケビン フォラントやロベルト フィルミーノの存在もありバックアッパーに留まる。2年目はマルク ウートの台頭とチームの不振も重なり、前半戦で僅か4試合のみの出場。後半戦はハノーファーへのレンタル移籍を決断する。そして3年目の16-17シーズン。クラブは青年監督ユリアン ナーゲルスマンの下4位に躍進を遂げる。サライも22試合に出場8得点を挙げる。高度な戦術と最新鋭の技術を駆使したホッフェンハイムの活躍に多くのサッカーファンが目を向け、選手達にもスポットライトが当てられる事が増えた。しかし、サライはあくまで4番手(バックアッパー)としての評価しか下されなかった。ウートに加え15得点を挙げたクラマリッチ 、11得点を挙げたヴァーグナーの存在があったからだ。17-18シーズンは3位に躍進し再び脚光を浴びるも、ウート、クラマリッチに加え攻撃の軸として躍動したセルジュ ニャブリに続く4番手という立ち位置は変わらなかった。



しかし、ウートが移籍しニャブリのレンタルが終了。クラマリッチが負傷で出遅れる中、攻撃の再構築が求められるホッフェンハイムサライは開幕から2試合連続でゴールを挙げている(2節はドッペルバック)


193cmと言った体格を生かしたボールキープとポストプレー。前線からの精力的なプレッシングを武器として備えるが、何よりも長所と言えるのがストライカーとしての得点を奪う動きだ。


小さな相手守備陣の綻びも見逃さないという意識とボックス内でのゴールから逆算された動き出しとボールコントロール。そしてバックアッパーとしてプレーしていた昨季までとは違い、自分がエースストライカーとしてチームを勝たせると言う気迫は今までの彼に備わっていなかった物だ。



30歳ともうベテランの域に入るサライ。4年間のホッフェンハイムでの年月を経て、4番手の立場から新たなエースストライカーになりつつある。



4からの飛躍。アダム サライの栄光はまだ始まったばかりだ。





それではまた










【コラム】フュルクルクに期待せずには居られない

皆さんこんにちは


今回は選手紹介型のコラムになります。あと、今回から本文の文体を変えてみようかなと思ってます。



ドイツ代表に足りないピースを埋められる最高の人材


ニクラス フュルクルク


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1993年 2月9日生 188cm 78kg


所属クラブ ハノーファー 


今回紹介するのはこのフュルクルクだ。プレースタイルは基準点型のCF。昨季はシーズン途中まで控えの立場ながら途中出場で存在感を発揮し、ウインターブレイク明けには実力者マルティン ハルニクをサイドに押しやる形でレギュラーに定着。最終的にリーグ3位タイの14Gを挙げた。


ハノーファーでは今季から本格的にエースストライカーの重責を担うだけに留まらず、戦術的なキーマンとしての責任も背負う。


まず、彼の1番の武器として挙げられるのが空中戦の強さだ。昨季はBundesligaにおけるCFの1試合辺りの空中戦勝利回数トップを記録しており、屈強なドイツのDFを前にしても当たり負けする事は滅多に無い。


これだけならただのターゲットCFなのだが、彼にはさらなる武器がある。それは、機動力の高さだ。一般的にはこういった空中戦に強いハンマー型のCFは機動力に欠ける事例が多々ある(中にはロメロ ルカクのような化け物も居るが)中で、彼にはその弱点が存在しない。


ハノーファーでよく見られるのは左右のWBとのコンビネーションプレーだ。フュルクルク→WB→フュルクルク といったパターンの攻撃がハノーファーの1つの武器として存在しており、この時のフュルクルクのスプリントの勢いは凄まじいものがある。


更に、彼の特筆すべき点がもう1つ存在する。それはポストプレーの際のテンポの良さである。決してフィジカルの強さに慢心してボールを必要以上にキープする事が無い。それ故に、カウンター時にも攻撃を停滞させると言った場面が非常に少なく、ハノーファーがコレクティブなカウンターを仕掛ける事が出来る最大の要因となっている。


また、現在ハノーファーのシャドーの位置でプレーしている浅野拓磨がプレシーズンから好調を維持出来ているのも、フュルクルクの存在が大きい。彼のプレーテンポの良さから来る上質な裏へのパスがこれまでドイツでは発揮される事が少なかった浅野のスピードという長所を最大限に活かしている。



Manchaftの救世主となるか


個人的に期待しているのがドイツ代表招集だ。U18、U19、U20代表でのプレー経験こそあるもののフル代表の招集歴は無い。しかし、ドイツのCFは人材不足が囁かれるポジションであり、ロシアW杯でも1つの議論の的となった。ミロスラフ クローゼが代表引退後に絶対的な存在が現れず、マリオ ゲッツェの偽9番も失敗に終わる。コンフェデ杯で台頭したティモ ヴェルナーがクローゼの後継者として期待を受けるも、W杯では終始低調な出来に終わり、ベテランのマリオ ゴメスに頼らざるを得なかった。そのマリオ ゴメスも代表引退を表明した今、基準点となれるCFというのは早急に人材が求められるポジションでもある。


そんな中、そのポジションを務めるのにフュルクルクは十分な選手としてのキャラクターと、実力を兼ね備えたうってつけの人材であるのに間違いは無いだろう。サンドロ ヴァーグナー、ニルス ペーターゼン、ディビー ゼルケらがライバルとなる存在だろうが、フュルクルクとの実力にそう開きは見られない。



国民が望んでいるクローゼの後継者と言うよりは選手としてのキャラクターも踏まえるとマリオ ゴメスの後継者と言った方が正しいのかもしれない。勿論、フュルクルクがドイツ代表の絶対的なエースとして君臨する可能性は限りなく低いと考えるのが妥当だ。それでも、ブラジルW杯からの4年間で基準点型CFの重要性を嫌という程知らしめられたドイツ代表において、彼が救世主となる可能性は充分にあり得るだろう。



Bundesligaで彼のプレーをよく目にする者として、私は、フュルクルクに期待せずには居られない




それではまた









18-19 Bundesliga プレビュー 覇権争いの存在しない世界

Bundesligaが開幕して早くも2節が経過した。

自分が考える今季のリーグと各チームの軽い展望と現状についてこのブログでは触れていきます。


盤石とは言えない絶対王者

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現在リーグ6連覇中の絶対王者バイエルン ミュンヘン。今季は移籍市場で満足な動きが出来ず、新加入は冬に獲得が決定していたレオン ゴレツカ、レンタルバックのセルジュ ニャブリ、レナト サンチェスのみ。サポーターは不満が溜まる夏となった。昨季の緊急登板に応えたユップ ハインケスが第一線を再び引き、後任にはフランクフルトで名を挙げた戦術家ニコ コバチを招聘した。しかし、コバチの補強リクエストは通らない所か、代役確保もままならない状況でのジェローム ボアテングの売却騒動(結果残留したが)等フロントには呆れるばかり。スカッドに目を向けても最終ラインは明らかに頭数が足りておらず、特にSBはレギュラー陣の故障が命取りとなるだろう。WGにしても未だにロベリーに頼らざるを得ない状況で、とてもではないが悲願のCL優勝を成し遂げられるとは言い難いだろう。しかし、国内となれば話は別だ。バイエルンに絶対的な強さは無い。ただ、彼らを追い落とすようなライバルクラブが存在しないのも事実だ。実際、今季も難無く開幕2連勝でスタートしている。この悲観的にならざるを得ない状況においても、ドイツの覇権に限りなく近いのはバイエルン ミュンヘンなのだ。



2連勝スタートを切った意外な2クラブ


今季、バイエルンと同じく2連勝でスタートを飾ったクラブが他に2つ存在する。1つはヘルタ ベルリン。5シーズン目を迎えたパル ダルダイが率いるハードワークを信条とするこのチームが開幕から違いを見せている。昨季までの4バックから3バックへ移行し、ハイプレスとリトリートを組み合わせたハイブリッドサッカーを披露。2節のシャルケ戦はCBの軸のレキクが故障するアクシデントに見舞われながらも即座に4バックへチェンジし問題を修正。シャルケのウィークポイントを徹底的に突くことで見事勝利を収める圧巻の試合運びだった。移籍市場では殆ど大きな動きを見せなかったが昨季控えに甘んじて居た選手達が、今季は開幕からスタメンとして躍動しており、ダルダイの用兵が見事である事が伺える。終盤戦に失速する傾向があるだけに覇権争いは厳しいかも知れないが、間違いなくリーグを面白くしてくれる存在だろう。


そしてもう一つのクラブはヴォルフスブルク。2年連続で入れ替え戦に回っていたドイツ屈指の金満クラブは移籍市場での苦戦を物ともせずシャルケレヴァークーゼンの強豪2クラブを破る近年で最高のスタートを見せている。詳しい事は過去のブログに書いてあるのでそちらを見て頂きたいが、2位に躍進した14-15以来の期待感を感じずにはいられない。


息を吹き返したドルトムント


知将ルシアン ファブレの下、チームを再構築したドルトムント。昨季と格段に変化したのが中盤のインテンシティで、新加入のアクセル ヴィツェル、トーマス ディレイニー、そしてボルシアMG時代の恩師の下覚醒したマフムード ダフードの3センターは昨季のドルトムントに欠けていた力強さをもたらした。既に圧倒的な存在感を見せるアブドゥ ディアロに加えCFに補強したパコ アルカセルがチームにフィットすれば、史上最強の2位となった15-16以来の強いドルトムントを見る事が出来るだろう。最大の懸念はマルコ  ロイスのコンディションだ。このエースがシーズン通して健康体を維持できればナンバー2の座の奪回、そして覇権争いも見えてくるだろう。



青年監督の集大成は故障者の治療から


19-20シーズンからRBライプツィヒの監督に就任する事が発表されたユリアン ナーゲルスマン。今季はその集大成としてCLでの躍進、そしてリーグでバイエルンに喰らい付くと言った野心を持っていたホッフェンハイムが直面しているのは非常に厳しい現実だ。開幕の段階で昨季主力としてプレーした面々に6人の負傷者。更に2試合で3人もの負傷交代が起こる等相次ぐ故障者に頭を悩ませている。それでも昨季のチーム得点王ウートの退団によって責任感が芽生えたアダム サライが開幕から得点を量産しており、開幕節こそバイエルンの前に倒れたものの、2節のフライブルク戦はしっかりと勝利を収めた。この怪我人続出の中で、CLが開幕してからの両立をこなせるかが今季の成功を左右する要因になりそうだ。


早くも暗雲が立ち込める強豪達


今季は本来なら覇権争いに絡んでくるべきである強豪が、開幕から2連敗でスタートを切っている。


まずはシャルケだ。久し振りのCL参戦で期待感の高まるはずの今季、開幕から、格下2チームに連敗スタートと厳しい結果に。やはりゴレツカとマイアーの退団した穴は埋められているとは言えず、彼らの穴埋めを期待されるオマール マスカレルが怪我で出遅れる事態に。また、負傷者に泣かされているのは最終ラインもだ。特にCBはただでさえ3バックに対して4枚という人数不足にもかかわらず、ビルドアップの要のスタンブリが怪我で離脱中。ボランチからのコンバートが構想に入っていたガイスも怪我に泣かされる始末。また、軽率なプレーも目に余り、開幕節でナスタシッチ、 2節でコノプリャンカが共に一発退場の憂き目に遭っている。名門復活を託されたデデスコは予想以上に厳しい船出となっている。


そしてレヴァークーゼン。戦力に関してはBundesligaのクラブの中ではトップクラスとも言えるものの開幕2連敗を喫するスタートに。アランギス、バウムガルトリンガーといった中盤の軸に加え新守護神のフラデツキーが故障に泣かされている部分もあるとは言え、明らかに力負けしている内容を考えると失望が残る。昨季尻すぼみだったベイリーはそこから抜け出せていない様子が見受けられ、ヘルリッヒの選手配置にしても最適解を見出せてるとは言い難い。近年で最高の戦力を揃えたと言われながら失望に終わった16-17シーズンの二の舞になるのか、ここから盛り返してくるのかに注目したい。


もう一つはRBライプツィヒ。Bundesligaの中でも覇権を狙うと言う野心を剥き出しにする数少ないクラブだが、今季は開幕2試合を終えて1分1敗の結果に。特に印象的だった開幕節ではストロングポイントの1つだった中盤の攻防でドルトムントに終始遅れを取り、ナビ ケイタ退団の穴を痛感させられた結果に。フォルスベリにしても怪我で精彩を欠いた昨季からの復活が果たせておらず、攻撃が淡白になる場面も多々見られる。希望が持てるのはベルナルドの移籍とハルステンベルクの長期離脱で不安視されていたSBでノルディ ムキエレとマルセロ サラッチの新戦力2人が好パフォーマンスを見せている事か。昨季は欧州カップ戦との両立に苦しんだが今季は2つのコンペティションそれぞれで結果を出したいシーズンになる。



最後になるが、ここ数年のBundesligaには覇権争いが存在しない。4月にはバイエルンの優勝が決定し、あくまでも白熱するのは欧州カップ戦出場権争い。これが良い影響を及ぼしているとは決して言えず、昨季は欧州カップ戦においてバイエルン意外のドイツ勢は全てGLで敗退する結果(CL勢はEL行き)となった。また、移籍市場においてもドイツは他国に比べて圧倒的に遅れをとっており(これは50+1ルールの存在もあるが)このままではいずれ5大リーグの地位からも陥落する恐れがある。


クラブサポーターの立場では無く1人のBundesligaを観る者として、今季のBundesligaには覇権争いが存在する事を強く願う。そしてその上でクラブサポーターとして、バイエルンが欧州、リーグの両方で栄光を掴む事に期待したい。






それではまた





キエーボ×エンポリから見た戦術という足枷

皆さんこんにちは〜




暇がありキエーボ×エンポリの試合を観ていたら、キエーボの噛み合わなさがかなり目立ったなと個人的には思ったので、今回はキエーボの問題点について書いて行こうかなと思います。興味ないとは思いますが最後までお付き合い頂ければ嬉しいです



キエーボのタスクの明確化による悪影響


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この試合のスターティングメンバー


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ちなみに試合はスコアレスドローで終えています。キエーボの最終ラインに関してはそこまで言う事は無いかといった印象です。


ここからが本題になります。


個人的に気になった部分が2つあって、まずは中盤(リゴーニ、ラドヴァノビッチ、オビ)の構成についてです。


この3枚は各々が与えられたタスクをしっかり実行しようとしており、戦術的にはしっかりと整備されています(ラドヴァノビッチに関しては効いていたとは少し言い難い部分はありますが)


各々のタスクについて整理すると


リゴーニ 中盤のスペースを埋めながらポジティブトランジション時にはトップ下のビルサへの配給役


ラドヴァノビッチ CBの前方のプロテクト兼ブロック形成時には最終ラインに落ちる


オビ セカンドボールの回収


恐らくこのような感じになっています。



しかし、この試合で問題点として浮かび上がったのがタスクに縛られ過ぎる事によって流動性が損なわれるといった事象です(ここで言う流動性とはポジショニングでは無く各々のタスクの内容の話)



中盤3枚各自が各々の仕事を全うしようとするばかり状況に応じた臨機応変なプレーが出来ていなかった場面が多々見られました。無失点に抑えられたのは最終ラインの健闘があったからです。



前線3枚の問題点


2つ目の気になった部分と言うのが前線の構成です。


この試合はビルサをダイヤモンドのトップ下に置き、2トップがステピンスキとジョルジェビッチで構成されていました。


この試合では、この攻撃陣は思うように機能せず、カウンターアタックに移ろうかと言う場面でも2トップの動き出しが無く、ビルサが低い位置でタメを作って終了と言った場面を幾度も見受けられました。


何故、この問題が起きたのかという事ですが、2トップに入った2人が昨季までエースストライカーとして君臨していた ロベルト イングレーゼ (現パルマ所属)程の裏抜けの意識、即ち縦への怖さに欠けていた事が理由です。


ビルサが長い距離のスルーパスを通したい場面でも2トップの2人は足元にボールを要求する等、出し手と受け手のビジョンに差異があったのは明白でした。


ここで言っておきたいのが決してこの2人が悪い選手だと言う訳では無いです。この試合でもターゲットとしては怖さを見せた場面も数回程見られました。ただ、重心を低く設定して自陣に引く事が多くなるチーム状況上、この2人を同時に前線で起用するのは得策とは言えません。


解決策ですがこの試合はベンチスタートとなっていたエヌマムレ ジャッケリーニを2トップの一角で起用する。またはビルサをステピンスキorジョルジェビッチと縦関係の2トップとして起用する等ざっと思いついたのはこれくらいですね。




ここまで読んで頂きありがとうございます。


現時点では最下位に沈むキエーボですがまだ3節を終えたばかりなのでこれからどうなるかは分かりませんね。個人的にはステピンスキを推しているので頑張って貰いたい所です😉





それではまた