【コラム】フュルクルクに期待せずには居られない

皆さんこんにちは


今回は選手紹介型のコラムになります。あと、今回から本文の文体を変えてみようかなと思ってます。



ドイツ代表に足りないピースを埋められる最高の人材


ニクラス フュルクルク


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1993年 2月9日生 188cm 78kg


所属クラブ ハノーファー 


今回紹介するのはこのフュルクルクだ。プレースタイルは基準点型のCF。昨季はシーズン途中まで控えの立場ながら途中出場で存在感を発揮し、ウインターブレイク明けには実力者マルティン ハルニクをサイドに押しやる形でレギュラーに定着。最終的にリーグ3位タイの14Gを挙げた。


ハノーファーでは今季から本格的にエースストライカーの重責を担うだけに留まらず、戦術的なキーマンとしての責任も背負う。


まず、彼の1番の武器として挙げられるのが空中戦の強さだ。昨季はBundesligaにおけるCFの1試合辺りの空中戦勝利回数トップを記録しており、屈強なドイツのDFを前にしても当たり負けする事は滅多に無い。


これだけならただのターゲットCFなのだが、彼にはさらなる武器がある。それは、機動力の高さだ。一般的にはこういった空中戦に強いハンマー型のCFは機動力に欠ける事例が多々ある(中にはロメロ ルカクのような化け物も居るが)中で、彼にはその弱点が存在しない。


ハノーファーでよく見られるのは左右のWBとのコンビネーションプレーだ。フュルクルク→WB→フュルクルク といったパターンの攻撃がハノーファーの1つの武器として存在しており、この時のフュルクルクのスプリントの勢いは凄まじいものがある。


更に、彼の特筆すべき点がもう1つ存在する。それはポストプレーの際のテンポの良さである。決してフィジカルの強さに慢心してボールを必要以上にキープする事が無い。それ故に、カウンター時にも攻撃を停滞させると言った場面が非常に少なく、ハノーファーがコレクティブなカウンターを仕掛ける事が出来る最大の要因となっている。


また、現在ハノーファーのシャドーの位置でプレーしている浅野拓磨がプレシーズンから好調を維持出来ているのも、フュルクルクの存在が大きい。彼のプレーテンポの良さから来る上質な裏へのパスがこれまでドイツでは発揮される事が少なかった浅野のスピードという長所を最大限に活かしている。



Manchaftの救世主となるか


個人的に期待しているのがドイツ代表招集だ。U18、U19、U20代表でのプレー経験こそあるもののフル代表の招集歴は無い。しかし、ドイツのCFは人材不足が囁かれるポジションであり、ロシアW杯でも1つの議論の的となった。ミロスラフ クローゼが代表引退後に絶対的な存在が現れず、マリオ ゲッツェの偽9番も失敗に終わる。コンフェデ杯で台頭したティモ ヴェルナーがクローゼの後継者として期待を受けるも、W杯では終始低調な出来に終わり、ベテランのマリオ ゴメスに頼らざるを得なかった。そのマリオ ゴメスも代表引退を表明した今、基準点となれるCFというのは早急に人材が求められるポジションでもある。


そんな中、そのポジションを務めるのにフュルクルクは十分な選手としてのキャラクターと、実力を兼ね備えたうってつけの人材であるのに間違いは無いだろう。サンドロ ヴァーグナー、ニルス ペーターゼン、ディビー ゼルケらがライバルとなる存在だろうが、フュルクルクとの実力にそう開きは見られない。



国民が望んでいるクローゼの後継者と言うよりは選手としてのキャラクターも踏まえるとマリオ ゴメスの後継者と言った方が正しいのかもしれない。勿論、フュルクルクがドイツ代表の絶対的なエースとして君臨する可能性は限りなく低いと考えるのが妥当だ。それでも、ブラジルW杯からの4年間で基準点型CFの重要性を嫌という程知らしめられたドイツ代表において、彼が救世主となる可能性は充分にあり得るだろう。



Bundesligaで彼のプレーをよく目にする者として、私は、フュルクルクに期待せずには居られない




それではまた