ソシエダから見るジョルディ アルバ対策

皆さんこんにちは


今回はLiga Española第4節 バルセロナ×レアル ソシエダの試合で、ソシエダが実践したバルセロナ対策について書いていこうかなと思います。


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5-3-2ブロックとオジャルサバル


この試合の両チームのスタメンf:id:k824space7:20180916170544j:plain

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このフォーメーション表記だと、中盤ダイヤモンドの4-4-2になっているソシエダだが、実際のフォーメーションはこの形では無かった。


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これはこの試合におけるソシエダの守備ブロックの基本形だ。10番を背負うオジャルサバルをWBの位置まで落とし、右ラテラルのサルドォアが中に入り5-3-2の形を形成する。


このブロックの最大の目的はジョルディ アルバを封じる事にある。アルバはバルセロナの左のアウトサイドレーンの攻撃を一任されており、彼の攻撃参加の破壊力は凄まじい物がある。だが、この試合のソシエダは守備の局面で常にオジャルサバルがWBとしてアルバに対応。普通のチームの場合、本来WGの選手が対応せざるを得ないため、アルバの対応に手を焼くのだが、ソシエダは最初からWGの選手は攻撃よりもアルバへの対応が最優先という戦い方を選択した。勿論これはオジャルサバルのロングスプリント能力の高さありきの戦術でもあり、その点で彼の選手としての才能の高さも賞賛されるべきだろう。


また、この奇策はアルバを守備面で抑えるに留まらず、攻撃面でも高い機能性を見せていた。カウンター時にオジャルサバルが低い位置からスタートするため、左CBのウンティティがカウンター対応の時に下がらざるを得ない。これが仮に高い位置を取っていた場合、最初からCBの警戒の中に位置するので、ウンティティも前もって状況判断を下しやすい。たが、完全な警戒の外からスプリントしてくるのでウンティティからしても対応が後手に回る結果となっていた。




話をオジャルサバルから戻そう。この5-3-2ブロックを形成するに当たって重要なのが、ボール奪取のエリアとして設定されている中盤3枚だ。


スルトゥサとスペルディアが一定の距離感を保ち、その間に入ったイジャラメンディが2人の横移動に合わせて常にインサイドレーンで数的優位(局面によっては同数)を作る位置取りをキープ。ここでのプレッシングが60分辺りまではしっかりと機能しており、バルセロナに決定機を作られる場面は非常に少なかった。



では、何故60分辺りから機能しない場面が増えたのかというとブスケツ投入の影響が大きい。それまではラキティッチがCBの間に落ちてビルドアップに参加していたが、ブスケツ投入後はそこにブスケツが入り、ラキティッチが一列前にポジションを上げたのだ。それまで一列前に入っていたラフィーニャ アルカンタラは決して好調であったとは言えず、ソシエダの守備陣を独力で剥がす場面は少なかった。しかし、ラキティッチというクオリティが数段上の選手が入って来たことにより、ソシエダのプレッシングは躱され、バイタルへの侵入を許す場面が増加した。



結果、先制に成功したソシエダだったがお粗末なコーナーキックの守備から2失点を許し、逆転負けを喫する。また、チームとして決定力を欠いたのも痛いだろう。4回もの決定機がありながら、いずれも沈められなかったのは大きな反省材料だ。決定機を1つでも沈めていればまた結果も違った物であっただろう。しかし、内容だけならバルセロナと互角以上に渡り合い、バルセロナの枠内シュートを6本に抑え、自らは5本の枠内シュートを放ったソシエダの戦い方は他のチームにとってもバルセロナ攻略の1つの教科書になるのではないか。






それではまた